卸売業向けインストラクションコース  【コンテンツ】

卸売業の情報システム − 卸売業の情報システム体系の概要編

第58回「業務システム化の概要(その9)」

1.業務システム化の概要

(2)発注から買掛・支払までの業務の解説
F買掛・仕入・支払業務の概略

★買掛・仕入・支払業務の概要
買掛だけで呼ぶ場合と仕入買掛と呼ぶ場合がありますが、支払はあまりサブシステムとして呼ばれないかも知れません。手順としては買掛から説明します。入荷確定した商品の明細とEDIまたは郵送で送られてくる仕入先納品書【仕切書ともいう】を突合チェックします。単価条件との照合、前回までの違算状況の確認などを行い買掛元帳を作成し仕入先締日単位での集計をしておきます。仕入先の締日は月末締が多く、ほとんどの買掛業務が月末に集中します。今後欧米のように週単位、10〜15日ごとなどの短い締めに変わるかも知れません(決済は毎日締められます)。その流れとも言い切れませんが、一部の仕入先で締めを細かく設定したり、リベート分が別れたりすることがあります。
支払予定を作成し、場合により仕入先営業【または営業事務】と事前確認し支払サイトに従って振込みます。オンラインで行う場合が多いでしょう。

G買掛・仕入・支払業務の変化と課題
★サイトの弾力的運用
支払サイトが例えば1ヶ月であっても締め後請求を受け取り直ちに送金することで割引条件に従い支払金額に乗じた分を得られることもあり、資金に余裕のある卸売業では多くの場合、実際に定められたサイトよりも早く支払うことで値引きを得ています。
★リベート管理業務が別途必要
仕入買掛だけでは支払のすべてが完結しないでしょう。通常はリベート管理【別で説明】が同時に行われ、場合により支払相殺として処理されます。この部分のコンピュータ化を100%行っている卸売業はまだ少数派で、手計算【といっても表計算ツールを活用】で行っていることが多数派です。
★納品精度がここでも色濃く影響している
物流的にも影響が大きい納品精度問題が支払時点でも色濃く影響しています。卸売業がチェックする過程において差異が多く、手間ひまがかかってしまいます。EDIを活用できる卸売業・メーカー間では支払の間際で違算発生することは少なのですが、情報システムの活用ができていない卸売業ではまずいわれたまま支払い、後に次の請求書が来るまでの間に調整を試みるというスタンスです。仕入先営業との間で相当量の工数がかかっています。
★棚卸原価の評価見直しの気運
卸売業により相当の意識の差がありますが、利益がなかなか確保できない中で、商品原価の評価【減耗等】を進めている卸売業が出てきています。他業界では簿価を原価評価により定め、棚卸資産を適正にしようとします。どんぶり勘定では行われてきましたが、しっかりした基準づくりとそれによる評価で棚卸原価を設定し、適正利益となるならば「業務に多少の負荷をかけても厭わない」といった例もあります。


つづく【次回は第3部 卸売業の情報システム体系の概要 (2)発注・入荷から買掛・支払までの業務の解説H販促・リベート業務の概略・I販促・リベート業務の変化と課題 です】

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