卸売業向けインストラクションコース 【コンテンツ】
卸売業の情報システム − 卸売業の情報システム体系の概要編
第56回「業務システム化の概要(その7)」
1.業務システム化の概要
(2)発注から買掛・支払までの業務の解説
B入荷・仕入先返品業務の概略
★入荷業務の概要
発注に基づき入荷されるはずの日別に入荷予定表を発行します。HT・入荷モバイルPCなどで画面で対応することも多くなってきています。入荷予定に対して実際の商品・数量をチェックし修正があれば行い入荷確定します。卸売業業界によってはメーカーによる出荷予定案内【ASN】のEDI送信が始まっています。その場合はASNデータを入荷予定データとします。
入荷業務時の修正には、発注してその予定通り入荷した発注入荷商品以外として
@発注したにもかかわらず当日入荷されなかった発注未入荷
A発注していないにもかかわらず入荷し受取った未発注入荷
B当日以外の入荷予定はあるが当日入荷した遅納・早納
C入荷予定のうち一部が入荷した分納・合納
の大きく4種類ありこれを修正します。
一般的には汚破損が認められる商品は配送車に積み直し持ち返りとなりますが、入荷後かさらに格納後か、天カット後に汚破損が発見された場合で仕入先責任である場合には、別途送り返すことがあり、入荷実績で修正または赤黒伝票処理することがあります。そうでない場合は、次に説明する返品の工程にある仕入先返品庫に一時保管し、返品商品として処理されることになります。返品の際は返品入帳率を設定している仕入先もありますが、それは汚破損が原因である場合適用されません。
★仕入先返品業務の概要
良品または不良品倉庫から仕入先別(場合により仕入先が指定する返品用の特別な場所別)に仕分けし整理します。正梱がない場合が多く、オリコンにまとめることもあります。商品の識別を商品名などの外観で行うことは極力せずに一般的にはJANコードをスキャンして商品識別します。仕入ソータを備える倉庫も一部ある。
C入荷・仕入先返品業務の変化と課題
★仕入先メーカーの納品精度
納品精度が悪く、検品を省くことができない。もし仕入先メーカーが高品質な物流を誇る卸売業なみの納品精度であれば、多くの卸売業は仕入先からの入荷時に検品などは行わず、抜打ち検品または格納まで間の検数時点で情報を取りEDI等で確認することができるようになるでしょう。しかし残念なことに納品精度の低い仕入先メーカーが多く、数十年前から作業内容の進化が芳しくありません。
★ケース入数・発注単位のアンマッチ
近年は改善の途上といえますが、1日10個程度の出荷しかない商品のケース入数が1440個入りであったりしました。また月に1ケース程度しか売れないが、最低発注量【縛り】が10ケースであったりしていました。いまだいぶ改善してきたものの、まだまだ十分とはいえず、交渉は続いていて進展はあまり良くないと言えるでしょう。

ここで言う”車載端末”は台車やフォークリフトを指します
つづく【次回は第3部 卸売業の情報システム体系の概要 (2)発注・入荷から買掛・支払までの業務の解説 D格納業務の概略 E格納業務の変化と課題 です】



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