卸売業向けインストラクションコース  【コンテンツ】

卸売業の情報システム − 先進情報システム運営の前提条件編

第47回「メンテナンスについて(その4)」

3.メンテナンスについて

(1)メンテナンス体制

A商品マスタのメンテナンス
B商品の情報をいつ見るか?
現状、業界単位では商品情報のデータ提供がいくつかの形態でサービスされています。その多くは販売されるすぐ前ころから生産完了により商品が市場に流通しなくなって数年の間にサポートされているようです。商品情報は必要となるタイミングで提供されることが基本ですが、棚割作業までを考えると十分間に合っているとは言えないでしょう。このようにタイミングによって商品情報の伝達に求められることは変化するといえましょう。以下a〜eのタイミング別に要件を述べました。
a 商品発売前【商品開発】(ほぼ完了)
つぎの季節や、場合によって来年などのかなり先の情報を知ってもらうことが販売促進につながることもあり、知らせる営業活動を行うというより知りたい人や必ず知っておきたい人に情報提供しておく。ネットでも噂が流れるくらいの状況があれば、少しだけ詳しい情報を提供する。噂が変な方向に発展進行していかないようにするためである。もちろんこうしたことが競合他社に知られては困るという考え方もある。十分な検討が必要だ。
b 商品発売直前【生産開始】
この段階は実務の準備および連絡のための情報となる。商談や物流手配、棚割情報などに注力することになろう。ここで商品情報を正確に効果的に伝える仕事も行う。ところがしかし、手配から発売までの期間が過去の3ヶ月程度から1ヶ月と少しに短縮されたら肝心な情報提供のタイミングがほとんど無くなる可能性がある。これから未来は2〜3週間で手配して発売というように更に短縮されるかもしれないのでやり方を考えるべきだ。
c 商品販売中【生産継続中】
相対で決める単価情報の修正などが行われる。また発注や在庫について、商談や営業からの販売見込を納入先別出荷予定として優先させている段階。生産量の調整はリオーダーなどを分析しつつ定番量・出荷量を見込んでおこなわれる。マスタの固定情報の提供は完了しているので、この段階では追加情報として詳細な情報が求められることがある。また現場の要求から商品特徴説明・仕様に関する情報提供が必要とされることもある。
d 商品販売中【生産完了】
生産完了には2つある。リニューアルなどの切り替えを前提とした場合と、ただ作らなくなるだけの場合とである。いずれもまずは時期が必要で自然切り替えを基本としながらも返品受入が必要であれば、その手配を行うし、リニューアルでは同時に新旧アイテムを置けないことが多いので、消費者の反応を分析すると良い。また販売中止理由も必要となることがある。その際に回収や返金等が発生する場合には手続き方法をあらわすことも必要である。
e 商品販売中止【販売終了】
販売中止はメーカーから見るとすべての店頭において中止という概念だが、ネット上では引き続き在庫がある限り販売されることがある。そこで売れ行きが良い場合などにしばらく時間経過して再注文や生産依頼などが来ることもある。受付担当者が勝手に決めずこの情報を集約・分析して決定することが肝心である。また、あるチェーンではPB品として生き残らせることもあり得るので、様々な管理・指示・制限などをコントロールできるようにする。

C商品の情報を誰が見るか?
情報化の時代が大きく進んできた今、商品情報も同時に進化し、その内容・項目が多岐にわたるようになりました。したがって情報をわたす相手に一番ふさわしくそして好まれる【受け入れやすい】方法で提供する流れが出てきました。
ひとつには「提供方法」です。個別企業による、ある程度限定/想定された利用方法に最適化した提供方法のバリエーションを備えることです。数ある提供方法の分類は他に譲りますが、ここでは一般論として情報を受ける担当窓口の特性を分析して、それぞれに相応しい提供方法を検討してみたいと思います。まず受け取る人を
義務的に欲しがっている人と
関心があって知らせてもらいたい人と
職務上担当窓口だから受けている人に
分類します。それぞれの特性を述べてみます。
ふたつ目の流れは「同期」を取ることです。どのように知らせるのか、担当の方が、急に知りたくなったらどう検索するのかなどについて考察します。
例えばpush/pullはアプリケーションで自由に設定しますが、アプリケーションのインストールさえ面倒な人には自動的に送信します。

商品情報の受け取りタイプ


つづく(次回は第2部 3.メンテナンスについて(1)メンテナンス体制 A商品マスタのメンテナンス D商品の情報を何のために見るか? です)

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